保証料は一括前払い型と金利上乗せ型のどちらがお得?

住宅ローンお借入の際によくある質問

「保証料は一括前払い型と金利上乗せ型のどちらがお得?」

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まず、保証料とは?

住宅ローンの融資を受ける際に、保証会社の保証を受ける必要があります。

その際に発生する費用が保証料となります。

保証料は一括前払い型と金利上乗せ型、どちらかの選択ができます。

 

 

 

一括前払い型の場合、保証料は一般的にどの位かかるのでしょうか?

元利均等、借入期間35年間、借入額100万円あたりの保証料について(H28.10現在)

★三菱東京UFJ銀行 20,612円

★三井住友銀行  20,620円~

★埼玉りそな銀行 20,614円

★みずほ銀行  20,611円~

借入額2,500万円の場合、一括前払い型の場合は最初に約52万円程支払うことになります。

これを最初に支払わずに金利に上乗せすることが可能です。

金利上乗せ型の場合、一般的には0.2%が金利に上乗せされます。

 

 

戻し保証料って?

保証料一括前払い型の場合で、繰上返済や一括返済をした場合は、保証料は一部返還されます。

これを戻し保証料と言います。

 

例えば・・・りそな銀行の場合の戻し保証料は以下の通りとなります。(りそな銀行のHPより)

借入額2,500万円、借入期間35年、 元利均等 、全額繰り上げ返済した場合の戻し保証料(H28.10現在)

・当初保証料:515,350円

・5年後:約316,000円

・10年後:約186,000円

・15年後:約102,000円

これはあくまでも目安だそうで、実際には細かく計算されるようです。

ただ、これを見ると、ずいぶん戻り率は悪いですね。

当初、515,350円支払った保証料ですが、5年後に全額繰り上げ返済しても約316,000円しか戻ってきません。

 

 

ちなみに、三菱東京UFJ銀行は戻し保証料をHP上では公開していませんが、銀行に確認したところ、上記のりそな銀行の額とほとんど一緒でした。

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では、本題に戻ります。

一括前払い型と金利上乗せ型、どちらがお得か、具体的に計算してみましょう!

 

りそな銀行で借入額2,500万円、借入期間35年、 元利均等の場合で比較してみます。

一括前払い型は保証料515,350円を借入時に支払い、金利は1.5%、

金利上乗せ型は金利は1.5%+保証料0.2%とする。

※戻し保証料をHPに掲載しているのがりそな銀行のみだった為、りそな銀行を例に挙げます。

※保証料は審査によって異なります。今回は審査評価が良かった場合(保証料が最低額)の場合で計算してみます。といっても大半の場合は最低額となるのですが・・・

 

<35年間、繰上返済を一度もせず、返済し続ける場合>

まずは35年間、繰上返済を一度もせず、返済し続ける場合です。

35年間1度も繰上返済ををしないで、ずーっと返済し続ける方は少ないと思われますが。

 

一括前払い型と金利上乗せ型で差が出る下記の点で比べてみます。

・最初に支払う保証料(一括前払い型のみ、最初に保証料がかかります。)

・月々の返済(月々の支払いは当然、金利上乗せ型の方が高くなります。)

 

一括前払い型

★保証料515,350円

★35年間の総支払額=月々の支払い76,546円×420回=32,149,320円
保証料515,350円+35年間の総支払額32,149,320円=32,664,670円

 

金利上乗せ型

★35年間の総支払額=月々の支払い79,018円×420回=33,187,560円

 

金利上乗せ型>一括前払い型

その差は522,890円

35年間、繰上返済を一度もせず、返済し続ける場合は一括前払い型が断然お得です。

 

 

<住宅ローンを組んでから、5年後に全額繰り上げ返済した場合>

次に、住宅ローンを組んで、5年後に売却等の事情で全額繰り上げ返済する場合です。

 

この場合の計算はちょっと複雑になります。

一括前払い型と金利上乗せ型で差が出る下記の点で比べてみます。

・最初に支払う保証料(一括前払い型のみ、最初に保証料がかかります。)

・月々の返済(月々の支払いは当然、金利上乗せ型の方が高くなります。)

・残高(5年後の残高は当然、金利上乗せ型の方が高くなります。)

・保証料の戻し保証料(一括前払い型の場合は戻ってくる保証料があります。)

・保証料を戻す為の手数料(大体の銀行は手数料がかかってしまいます。こまめに繰上返済をすると損をしてしまうかも。)

 

一括前払い型

★保証料515,350円

★5年間の総支払額=月々の支払い76,546円×60回=4,592,760円

★5年後の残高 22,179,525円

★保証料の戻し保証料 約316,000円

★保証料を戻す為の手数料 10,800円

保証料515,350円+5年間の総支払額4,592,760円+5年後の残高22,179,525円-保証料の戻し保証料約316,000円+保証料を戻す為の手数料10,800円=26,982,435円

 

金利上乗せ型

★5年間の総支払額=月々の支払い79,018円×60回=4,741,080円

★5年後の残高 22,271,499円

5年間の総支払額4,741,080円+5年後の残高22,271,499円=27,012,579円

 

金利上乗せ型>一括前払い型

その差は30,144円

住宅ローンを組んでから、5年後に全額繰り上げ返済した場合は若干ですが、一括前払い型がお得です。

 

 

 

今回はりそな銀行を例に計算してみました。

 

銀行によって保証料、戻し保証料、手数料等は若干異なりますが、大体、どこの銀行でも2~3年以内で全額繰り上げ返済した場合は金利上乗せ型の方がお得になるようです。

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~まとめ~

計算結果からすると、多くの場合は一括前払い型の方がお得になると思われますので、個人的には一括前払い型の方が良いと思います。

ただ、繰上返済のタイミングや回数等によっては、金利上乗せ型がお得になる場合もあります。

長い住宅ローンですので、終わってみないことには、最終的にどちらがお得であったかはわかりませんね。

 

私は下記のようにお勧めしています。

 

<一括前払い型をお勧めする場合>

・当たり前ですが・・・最初に保証料が払える場合。

・ある程度の年数をかけて住宅ローンを返済する場合。

 

<金利上乗せ型をお勧めする場合>

・当初の自己資金の負担を軽くしたい場合。

・早期に一括返済や住宅ローンの借り換えの可能性がある場合。

・保証料を戻す為の手数料を気にせず、繰上返済したい場合。

 

(株)いえまる 相澤

 

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