不動産売却のウラ話①

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「不動産の売却」のお話をひとつ。

といっても…

不動産仲介の業界のウラのお話ですが…。

まずは、不動産の売却を仲介する場合の基本的な仕組みを。

不動産の売却を仲介会社(弊社を含め)に依頼する場合、
・専任媒介
(専属専任媒介というのもありますが、今回は専任媒介に含めます。)
・一般媒介
という2種類の依頼の形態があります。

違いを簡単に言うと…
【専任媒介】
⇒仲介会社1社に限定して依頼する。
そのため、仲介会社には報告義務を含め、様々な責任が課される。
【一般媒介】
⇒複数の仲介会社に依頼することが可能。
仲介会社に報告義務等の責任は、ほぼ無くなる。
という感じでしょうか。

そして、ほとんどの仲介会社は、
【専任媒介】で依頼を受けたい!
と考えております。

なぜなら、専任媒介ですと、売却が決まった段階で、
売主様から仲介手数料がもらえることが確定するから、です。

一般媒介ですと、売却が決まっても、
他の仲介会社が窓口になってしまうと、
仲介手数料がもらえません。
手数料がもらえるのは、1社のみ。
その他の仲介会社は1円にもなりません。

なので…
「窓口が複数になると、面倒ですよ」
「専任でお任せ頂ければ、大々的に広告を打てます!」
「定期的に販売状況をご報告しますので、安心です」
「専任媒介の場合、不動産業者間のデータベース(通称レインズと言います)
に登録します(※法律で義務付けられています)ので、
他の仲介業者さんにも情報を公開し、お客様をご紹介頂けます。
一般媒介の場合、レインズへの登録する義務が無く、さらに、
売主様へのご報告義務もないのであまりお勧めできません。」
などなど、
様々なトークで専任媒介を勧めてきます。

ここでポイントになるのが…

もうお分かりかと思いますが、
上の赤字のところ。
「レインズに登録しますので、他の仲介業者さんにも情報を公開し…」
というくだり。

ここの何がポイントかと言うと…
「レインズに登録はしても、他の仲介会社への物件の紹介をしない(もしくは断る)仲介業者がいる」
ということです。

えー!
ほんと!?
マジすか??

という感じですが、

ええ、本当です。

では、なぜ、こんな売主様への背信行為を行うのか。

答えは一つです。

専任媒介で売却の依頼を受けた段階で、
売主様から仲介手数料がもらえる(売れたらですが)ことが確定しますが、
他の仲介会社からの買主様のご案内を排除することによって、
自社で買主様を付けて、買主様からの仲介手数料をもらいたいから

です。

それによって、一度の契約で、売主様、買主様の両方から仲介手数料が入ります。
(これを業界では「両手」と呼びます。※どちらかだけからの場合は「片手」)
手間は一度で、手数料は倍です。
まさに「一粒で二度おいしい」アーモンドグリコ状態(?)です。

いやー、
とんでもないことですね。

仲介業者間では、よく、
「物件を止めている(止められている)」
といいます。

で、なぜ、こんなことがまかり通るのか?

これも答えは一つ。

売主様にばれないから。

そうです。
まさに、
「ばれなければ何をやってもいい」
の精神です。

そして、「物件を止められる」と、売主様には大変なデメリットがあります。

専任で依頼した仲介業者に問い合わせてきたお客様(物件を買いたいという)
しか来ませんので、
①お客様の数が絶対的に少なくなる
⇒②売却期間が長引く可能性があり
⇒③それにより価格を下げないと売れなくなる恐れが出てくる
という、負の連鎖におちいることが容易に想像できます。

これは、とても恐ろしいことです…

売主様は、何千万円という金額のものを売却するのに!

仮に3000万円で売りに出していて、
なかなか売れなくて、最終的に2500万円に下げて売れたら…
500万円の損出なのに!

それでも売れればまだいいほうかもしれず、
なかなか売れないから、売却を断念する人もいるかもしれないのに!

それなのに!
です。

そしてさらに恐ろしいのは…
このことは、不動産仲介業者の間では、普通に知られており、さらに、
大手仲介会社でも、当たり前のように行われている、
という歴然たる事実がある。
ということ。

とんでもないことです。

現に、ブログ等でこのことに言及している、
元不動産仲介会社の営業マンや、
中小の仲介会社の方々、
は、たくさんいます。
(今回で、私も含め、ですね)

なのに、いまだに横行している。

売主様への背信行為なのに。
さらに言えば、売主様への詐欺行為(だって、嘘ついてますから)なのに。
さらにさらに言えば、宅建業法に抵触するような行為…違法行為なのに!

そうです。

この件に関しては、私は、怒っています。

ていうか、激怒です。

当然、そういう行為をする業者ばっかり、
ではないです。
一部の業者、もしくは、一部の担当者(もしくは支店)です。

ですが!

だから良いわけではないし、
一部でも、ちょっとでも、ごくわずかでも、
ダメでしょ!これは。

20年近く前の、
マンションの耐震偽装問題に匹敵するくらい、
とんでもないことです。

かなり、熱くなってしまいました。

でも、不思議なんですよね。

この「物件を止める」行為。

知っている人は知っていて、
いわゆる「暗黙の了解」みたいになっているけど…
なぜ、いまだに問題にならないのだろう?

まあ、いずれ…
ちょっと前に大騒ぎになった、
食品偽装問題みたいに、発覚するのかなー
(そうなればいいのに!)
と思っておりますが。

ちょっと長くなってしまいました。

まだ、書き足りないので、続きは次回で(笑)

 

 

続き↓

不動産売却のウラ話②

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